iPhoneで良く耳にする「脱獄」ですが、どういう意味があるのかご存じでしょうか。
iPhoneが出始めた時は、脱獄がかなり人気でした。
ですが最近では、脱獄するメリットが少なくなっているのです。
脱獄で出来ること、危険性、なぜ廃れてしまったのか?など、全部まとめて解説していきます!
脱獄とは?
別名「JailBreak(ジェイルブレイク)」とも呼ばれており、特別な動作やアプリを操作できる状態にすることを指します。
ちなみに、「脱獄」はiPhoneやiOSだけの用語ではなく、AndroidやPlayStation 3などでも使用されている用語です。
iPhoneはセキュリティに力を入れているので、決められたアプリや、設定された操作しか利用できないようになっています。
しかし、脱獄を行うとiPhoneのプログラムが書き換わり、iOSの改変の権限が解除されます。
これによって、非公式(App Storeで公開されていない)アプリをインストールしたり、ホームアイコンを変えたり、操作方法の一部を変えたりすることが出来るようになるのです。
脱獄は違法?
脱獄と聞くと、「違法でしょ?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
ですが実は、日本だと違法ではありません。
Appleの利用規約には違反している形になりますが、法律としては大丈夫なんです。
なお、アメリカの場合は、特定の目的であるのなら「合法」と認められています。
(基本的にアメリカでは違法です。)
日本だと法律上の罰則は無いとはいえ、有料のアプリや音楽を無料で入手することは犯罪に当たります。
犯罪行為には使わないようにしてください。
薄れていく脱獄文化
iPhoneが発売されて、少しずつ人気が上がってきた当時(2011年頃)は、脱獄が一気に流行りました。
単語だけなら耳にした方も多いのではないでしょうか。
ですが、月日は流れ、今では耳にすることも少なくなりましたよね。
脱獄の人気が薄れた原因の一つに、iOSがどんどん進化して、脱獄しなくても十分な機能が追加されていることが挙げられます。
アイコンを変えたり、細かい設定を変えたり、昔は脱獄しなければ出来なかったことでも今では普通に変更出来てしまうのです。
メリットとデメリットを天秤にかけた時、デメリットの方が強くなってしまっているのが現状です。
脱獄のメリット・デメリット
「脱獄すると修理に出せなくなってしまう」など、デメリットの方が強いようなイメージがありますが、実は沢山のメリットがあるんです。
メリット
脱獄をして得られるメリットは下記の通りです。
- カメラのシャッター音を消せる(常時無音カメラに出来る)
- スクロールを今よりも高速化することが出来る
- 時計の表示位置を変更できる
- App Store以外のアプリもインストール出来るようになる
- 表示される広告をブロック出来るようになる
- ホーム画面のアイコンなどのデザインを変更できる
- 着信音を変更できる
- iPhoneをUSBメモリとして使えるようになる
- ホームのフォルダに入れるアプリの上限数を変更できる
- マルチタスクが一括で終了できるようになる
上記以外にも、沢山の操作やデザイン・表示設定を変えることが出来ます。
↑脱獄した場合のホーム画面のサンプル
脱獄をすることによって、様々な機能を持つプラグインがインストール出来るようになります。
今まで決められた操作しか出来なかったiPhoneが、より自分好みにカスタマイズできるようになるのです。
デメリット
メリットだけを見ると「ちょっとやってみようかな」と思うかもしれませんが、知らないと怖いデメリットが10点もあります。
- 最悪の場合、故障してしまう可能性がある
- Appleのサポートが受けられなくなる
- au、docomo、ソフトバンクなど、キャリアでも保証が利かなくなってしまう
- 修理費用が高くなる(または、修理不可能になる)
- 今まで使えていたアプリ・機能が使えなくなる可能性がある
- バッテリーの減りが早くなってしまう(約10%~20%ほど)
- セキュリティの状態がかなり危険になる
- 簡単にiOSのアップデートが出来なくなる
- 困ったことがあっても自己責任のため、全て自分で解決する必要がある
- 脱獄行為が違法になった場合、犯罪となってしまう
脱獄で一番怖いリスクは、セキュリティが一気に危険にさらされてしまうことです。
iPhoneは、『ウイルスに感染しないスマートフォン』として有名です。
ソフトウェアを書き換えるために強固なセキュリティを解除してしまう・・・ということは、いつウイルスに感染してもおかしくない状態になってしまうことを意味します。
個人情報流出のほかにも、故障のリスクや、サポートが受けられなくなってしまうのも大きなデメリットです。
安易に脱獄にチャレンジするのではなく、上記のデメリットを真剣に考えてから実行してください。
脱獄の方法
脱獄するには、専用のツールをダウンロードする必要があります。
用意するべきツールとやり方をまとめた記事がありますので、詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
高速化したり、よりデザインを自分好みにアレンジすることが出来る「脱獄」ですが、かなり大きなデメリットが存在します。
それでも脱獄したい場合は、全てのリスクを覚悟してから実行してください。
iOSのバージョンが上がるにつれて、脱獄の必要性は少なくなっています。
一回脱獄してしまうと、それだけでサポートが受けられなくなってしまうので覚えておいてくださいね。
脱獄は、きちんと理解しておかないと大きなトラブルに繋がります。
iPhoneユーザーであるならば、この機会にしっかりと覚えておきましょう。